スクンビットから電柱が無くなる!?タイの電線地中化計画

いよいよスクンビットも電柱撤去!タイの電線地中化計画

観光大国であるタイは、近年街の美化に取り組んでおり、特に2017年に入ってからその動きが加速しています。

今年特に話題になった話といえば、バンコク中心部の屋台の撤去。
バンコク中の屋台が無くなるかも?と大騒ぎになったこともありました。

そんなタイでは今、新たな取り組みとして電線、電話線を地中に埋設する計画が進められています。

タイの電線は超危険!

2017年11月現在のタイでは、いたるところで不規則に配置され、剝き出しになった電線が街中に混在しています。
道端を歩いていても、手に届く範囲に電線があったり、足元まで垂れ下がっている電線まで見かけることがあります。

実はこの電線が超危険。
日本の約2倍以上、220Vの電圧がかかっているタイの電線は触れるだけでも感電死してしまう可能性があるのです。

事故事例はたくさんあり、電柱にもたれかかったり、プールに入っただけで感電。
立小便やATMの利用など日本では考えられないような場所でも事故が多発しているようです。

また洪水やソンクラーンの時期も毎年死亡事故が報告されます。
2011年の大規模な洪水の際には3か月の間で、45人もの感電死が報告されたそうです。

電線地中化計画の概要

計画の進行がはっきりと決まったのは2016年6月29日。

少し詳しく説明すると、タイの首都電力公社であるMEAがTOT、NBTCを巻き込み、首都都庁とタイ王国警察の協力を得たのちに、「電線類地中化計画」の合意を締結させたことからこの計画は始まりました。

「電線類地中化計画」の内容をざっくり説明すると、2021年までにバンコク周辺の214.6kmにわたる区間の電線、通信線を地中下に埋設。
街の景観の美化や、停電の改善、危険性の改善に取り組みます。

2016年当初と計画は若干変わり、2017年の予定施行区間は、127.3km→214.6km。
着手期間も2025年まで→2021年までと、区間の拡大、期間の短縮と良い方向で進んでいます。

あくまでもざっくりと概要の説明なので、総工費や、投資額、各エリアの施行期間など、詳しい計画の情報はMEAの公式サイトをご確認ください。

バンコクがASEANの中心であるためにMEAが進める7つの電線地中化計画
(MEA公式サイト、内容英語)
その他のMEAプレスリリース一覧はこちらから

スクンビットはどう変わるの?

2017年11月15日より、「電線類地中化計画」はスクンビットにも着手しています。

施行されるエリアはスクンビットsoi1~soi77(プラカノン通り)までの区間。
ナナからプラカノンまでの約6kmにわたる道の電柱544本を撤去します。

電線がMEA、通信線がTOTによって地中に埋設され、2017年12月25日までの工事完了を目指します。

日本人にも深くかかわりのある、スクンビット通りも今年中には電線が無くなります。
電柱が抜かれたところには、樹木が植えられるとのこと。

これからのバンコクは、すっきりとした景観を見せてくれることになることでしょう。

気になる人は…補足情報、豆知識

この構想は昔からあった?

今年から本腰を入れて電線の撤去が進んだイメージがありますが、実はMEAではこの電線の問題に1987年より着手しようとしていました。
しかし、電線だけでなく、通信線などその他電線類も含まれていたことから、他機関との連携が必須となっていました。

特に通信線に関しては、タイ国営電話公社であるTOT社と、タクシン元首相が代表を務めていたTRUE社の仲が当時は上手く行っていなかったため連携が上手くいかず、とん挫してしまっている状況が続いていました。

きっかけはビルゲイツ?


2016年6月25日、マイクロソフト創業者のビルゲイツがFacebookに次のような投稿をしました。
「電気のインフラが整っていない地域はまだまだ沢山あり、停電や断線にいつも苦しんでいる。このタイの写真のように、人々が必要な電力を得ようと違法に電線を繋いでしまう街を、これまでたくさん訪れてきた。それは彼らにとってものすごいリスクだろう」

しかしこれには少し誤りがあり、この数多くの電線は個人による電力泥棒ではなく、ケーブル業者などによるもの。
ビルゲイツも間違いに気付いたのか、この画像はFacebookより即刻削除されました。

このビルゲイツの投稿は6月25日。MEAと各国営企業が締結を行ったのは6月29日。
今まで進んでいなかった工事が急に進むことになったのは、このビルゲイツの投稿があったからかもしれません。

技術好き、マニアックな人向けに解説

今回のタイのように、公共事業として無電柱化を行う場合、2通りの方法があります。
それは、
・地中化による無電柱化
・地中化以外による無電柱化
の2通りです。

地中化以外の場合は、裏配線を活用したり、軒下配線に切り替える形で対応されます。
裏配線は人通りの少ない裏道などに電線を集積する方法。軒下配線は電線を引き込む建物の最寄りの電柱から軒下に直接は配置する方法です。

今回のバンコク電線類地中化計画のケースは「地中化による無電柱化」ですが、それらにもさらに2通りの手法があり、
・電線共同講方式
・電線共同講方式以外
に分かれます。

「電線共同講方式」は今回のタイのように、国営企業が主導でやる場合で主に使われます。
道路の地下空間を生かして電力線や通信線をまとめて収容する方法です。

「電線共同講方式以外」はかなりレアな方式で、下記のような対応方法があります。
自治体管路方式 – 地方自治体が独自に管路設備を設置する方法。
単独地中化方式 – 電線管理会社が自費で地中化を行う方法。
要請者負担方式 – 電線管理会社、地方自治体の両社ともに対応できない優先度の低いエリアに対応する方法。費用は申請者の自費。

上述した通り、MEAは独自に1987年から工事に着手しようとしていましたが、
その場合単独地中化方式になってしまい、工事費も非常に高額になってしまうことも計画が難航していた理由の一つのようです。

電線以外のケーブルはどうなるの?

今回の電線類地中化計画は「電線共同講方式」で行われます。
具体的にはMEAとTOTが地中にパイプラインを開設する形で対応がなされます。

MEAとTOTが所有している電線は、主に通信線・電話線になりますが、ケーブルなどそれ以外の電線はどうなるのでしょうか?

今回新たに埋設されるパイプラインは、MEAやTOTが所有するものです。
そのためケーブルなどの電線類は所有する業者が使用料を支払う形で対応することになります。

使用料は1kmあたり月々18,000THB。
これはその他業者や通信業の競合他社からすると大きな痛手となるかもしれません。

その他参考リンク

美化計画が進むタイ

屋台の撤去、電柱の撤去と、今まであったものが続々と撤去されていく2017年のバンコク。
その他にも規制はどんどん厳しくなり、ポイ捨ての取り締まりや、歩道のバイクタクシーの取り締まりなど特に街の景観をよくしようとする動きが目立ちます。

その他にも、駐車禁止による渋滞の緩和や、飲酒運転の取り締まり、薬物規制、狂犬病の対策、ビザの規制など、街並み以外のところでもタイをクリーンにしようとする計画が進行しつつあります。

タイで仕事をしていたり、生活をしている人からすると嬉しいニュースかもしれません。

しかしあの東南アジアらしい、タイならではの喧騒はもうすぐ消えてしまうのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です